バドミントンの練習には、ステップ練習やノック練習・ゲーム練習など様々な練習があります。
ステップ練習とノック練習はチームのコーチ・監督の意向で練習内容が変わってきますが、今回のテーマである「基礎打ち」のメニューはどこのチームでも、さほど大きく変わることはないと思います。
基礎打ちは、野球で例えるとキャッチボールと似ており、練習に取り組む前のアップ練習でありますが、しっかり打って身体を温めなくては、怪我の原因になります。
社会人サークルでも、試合前の20分ぐらいは基礎打ちの時間をとってくれます。
基礎打ち無しでゲーム練習に取り組むとゲームの時に、ラケットにシャトルがしっかり当たらなかったりするので、本当に大事な練習だと私は最近感じさせられました。
今回は、基礎打ちのメニューやドライブなどの順番・ショットのコツ・どのような時に使うショットであるかなど、図を入れて説明していこうと思います。
バドミントンの基礎打ちのメニューとは?
バドミントンの基礎打ちのメニューは、ドライブ・カット(ドロップ)・プッシュ・クリア・ヘヤピン・スマッシュの基本的にはこの6つです。
それでは、6つのショットを1つずつ図も入れて説明していきます。
ドライブ
ネットすれすれ高さで、床と平行な軌道を描くように打つショットです。
このショットのコツはまずはネットに引っかけることなく、相手の胸元に打つことが大事になります。ドライブはダブルスの早い展開よく使われます。
カット(ドロップ)
相手がコート奥に上げてきたロブをネットの高さすれすれで、コート前に落とすショット(軟打)です。
このショットのコツは、最初は少し浮いても良いので、上記の図の青線とネットの間にしっかりシャトルを集めることが、実践で使うためには大事になってきます。
これはシングルス、ダブルスどちらでも使われるショットです。
プッシュ
プッシュは名前の通り、押し込むショット。
このショットのコツは相手の返球がネット前で浮いたときにラケットを振って思いっきり打つのではなく、当たる瞬間に強く握り、そのまま相手コートに押し込むだけです。
このショットは、ダブルスの相手のサービスを返球する時や、相手の返球がネット前で浮いてきた時、相手のヘヤピンが浮いた時などに使うショットです。
プッシュは思いっきり打つのではなく早いタッチで、相手の準備が整う前に相手コートに押し込むショットです。
少ししか浮いていないのに力を入れて打ってしまうと、ネットに引っかけてしまうので、早いタッチを心掛けることが重要です。
ラケットを振るのではなく、押し込む!
クリア
クリアはコート奥から奥に大きく上げるショットのことを言います。
クリアは基本的にはシングルスで使用されます。
社会人でもダブルスでクリアを使うことがありますが、ジュニアや高校生の場合だと体力もあるので、ダブルスでのクリアはあまり使わないと思います。
このショットのコツはとにかく奥までしっかり飛ばすことが大切です。
10cm飛ンでいないだけで相手からすると、甘い返球になり、スマッシュなどの強打が来る可能性が一気に跳ね上がります。
大会では緊張してクリアが飛ばなくなることは良くあることなので、練習でアウトになるぐらいの強さでクリアを打っていた方が、ちょうど良いのかなと思います。
ヘヤピン
ヘヤピンはネット前からネット前に浮かないように打つショット。
軌道が髪をとめるヘヤピンに似ていることからこの名前がついたようです。
ヘヤピンのコツは当たる瞬間にラケットを強く握るだけではありますが、感覚が身につかないと浮いてしまいます。
このショットの精度が上がると、シングルスで相手がロブを上げてくれる可能性が上がるため、スマッシュを長所としている人はこのショットがかなり大事になってきます。
スマッシュ
スマッシュは相手から上がってきたロブを強く打つショット(強打)のことを言います。
スマッシュのコツはしっかり打点に入ることが重要になります。
打点に入らないで打ってしまっていると、スピードにばらつきが出てしまうことや、羽の部分を打ってしまい、シャトルを壊してしまったりしてしまうことがあるからです。
空振りをした時に、自分の頭や肩にシャトルがぶつかったら打点には入れている証拠ですが、身体に当たらずにコートに落ちた場合は、打点には入れていない可能性があるので、注意しましょう。
スマッシュの打点に入る練習をするのであれば、上がってきたロブを利き手でキャッチする練習はシャトルを壊してしまう可能性がないのでお勧めです。
バドミントンの基礎打ちの順番は?
社会人サークルでやる場合の基本的な基礎打ちの順番は、
ドライブ →カット(ドロップ) →プッシュ →クリア →ヘヤピン →スマッシュ
になると思います。
私が高校生の時の基礎打ちの順番は、
ドライブ →プッシュ →クリア →カット(ドロップ) →スマッシュ →ヘヤピン
の順番で行っていた覚えがあります。
高校生は、シングルスの大会に出ることも多いので、しっかり足運びができなくてはなりません。
そのため、ドロップ交互やスマッシュ交互と社会人では滅多にやらない練習ですが、シングルスを想定してコーチなどが取り入れる場合もあると思います。
シングルスに必要な「交互」の基礎打ちメニューとは?
基礎打ちのスマッシュ・カット(ドロップ)交互で簡単に説明すると、
①相手がロブ上げる→②自分がスマッシュ(orカット)を打つ→③相手が前衛に返す→④相手の返球を自分がロブで返す→⑤相手がスマッシュ(orカット)を打つ→①に戻る
というように交互にスマッシュやカット(ドロップ)を打ち合うようにすることを言います。
シングルスの場合は、前衛も後衛も自分で対応しないといけないため、シングルスで前衛に落とされたときの対策で、こういう練習を取り入れることもありますが、初心者であると最初に練習で覚えるのはダブルスの方が多いので、この練習はシングルスがあと1か月以内にあるときに少しやっておけば、良いのではないかなと個人的には思います。
大会上位に入るために練習する順番とは?
私の経験談からですが、県大会などに出場したことのない初心者が、ドライブとプッシュをある程度のレベルに到達させることができると、ダブルスで県大会に出場できる可能性がかなり上がってきます。
もちろん優勝候補の相手と当たったり、格段に強い相手と当たってしまったりなどの大会のトーナメントの運もありますが、それでもこの2つのショットができることで、スマッシュやカット(ドロップ)を打たれるレシーブの時間を少なくすることができるのでダブルスでは特に大事なショットと言っても良いでしょう。
相手サーブをプッシュできると相手は大きく上げる、前衛に返す2択が多くなると思います。
上がってきたらスマッシュやドロップを打って自分たちの攻めの形を作れば良いですし、前衛に返ってきてプッシュができたら、相手は守ることしかできなくなります。
「攻撃は最大の防御」なのです。
そのため、ダブルスで大会上位に入賞したいのであれば、順番的にスマッシュなどよりもドライブ・プッシュを最優先で練習した方が良いと思います。
まとめ
- 基礎打ちでやるメニューは6つで、バドミントンの大会では大まかにこの6つショットでゲームメイクをする
- 社会人と学生で基礎打ちの内容は若干かわる
- 「交互」の練習は、体力のある学生の練習めにゅーである
- ダブルスで上位に入るのであれば、基礎打ちで覚える順番は「ドライブ・プッシュ」が優先される
いかがだったでしょうか?バドミントンでは6つのショットを応用し、試合をすることになります。その応用のショットを作るためには、基礎の基礎打ちが何よりも大事になってきます。
私の場合、高校生の時、スマッシュが得意なので、ジャンプスマッシュやカットスマッシュ・クロススマッシュ・リバースカットなど後衛のショットの種類を優先して覚えておりましたが、ドライブとプッシュは種類を増やす必要もなく、相手の準備が整う前に、相手コートに押し込むショットなので最初の方では早いドライブなどは必要ないので、すぐ実践に持ち込むことができます。
今思うと学生時代に、「こっちを優先して練習しておけば…」と思うこともあります。
レベルが上がると、早いテンポのショットも必要となってきますが、初心者で周りと差をつけるのであれば、ドライブとプッシュの練習をすることをお勧めします。